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世界の料理の中で、日本料理ほど“目”で楽しめる料理はないでしょう。昭和の名料理家として有名な北大路魯山人をして、「料理は、まず目で味わい、肌で味わい、舌で味わう」と言わせたのも、四季を折々の食材を使い、いかに季節の情感を器とともに作り出せるか、ということが日本の料理人の神髄だからです。
日本料理の食器には、洋食のように全てが揃ったセットというものは、ほとんどありません。料理をする者が、それぞれの感性と工夫で、その季節、料理に合う食器を取り合わせるのです。
たとえば、今回私は魯山人の「武蔵野四方鉢」に八寸を盛りつけてみましたが、薄の絵柄に合わせて、ゆで玉子を月に見立て、お月見をイメージしてみました。
いつもなら使い慣れた同じ皿に盛りつける料理を、自分の工夫と感性でいつもと違う器に盛りつけてみる。これはとても楽しいことです。別に器は高価なものであったり、作家のものであったりする必要はありません。家の食器棚から、あるいは時間があるなら食器屋さんの棚から、安くてもちょっと素敵な器を探してみましょう。
上手に盛りつけたお料理は、ひと味美味しくなっているはずです。真心という味付けが加わって。
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