如月
2月は、寒さの厳しい季節です。そんな時、日本人ならやはりお鍋が恋しくなりますね。しんしんと寒い夜に、家族や友人とお鍋をつつく風情は、日本ならではの食文化です。
鍋ものは、工夫一つで幾種類もの食材が同時に調理できるし、また栄養の面でもバランスの取れた、勝れたお料理です。スープの味も様々で、おだしの効いた和風、ごま油の香りが生きた中華風、クリーム仕立てやブイヤベース、そしてハーブの香りが漂う西洋風、最近では辛口の韓国風や、タイスキに代表されるエスニックなどもあります。その日の気分や仲間に合わせてスープを変化させると、同じ材料でもまったく違った味わいが楽しめます。
今回は、そんな鍋料理とは少し違いますが、寒い冬に風邪薬にもなる、大根の薬膳風煮込み(大根の白煮)を鍋仕立てにして、献立に加えてみました。大根は醤油を入れると独特の香りが強くなりますが、今回は酒と塩で味付けをするので、大根臭さがあまり気になりません。豚の三枚肉も、脂を抜いてあるのでさっぱりと食べられて、体がよく暖まります。是非一度、試してみてください。

向付でご紹介しているかまぼこはフグの刺身を真似たアイデア料理です。かまぼこはよく身の締まった弾力のあるものを使い、できるだけ薄く切り、フグの刺身のようにお皿に平たく並べます。今回はわさび醤油でご紹介しましたが、フグと同じように小葱と紅葉おろし、ポン酢でいただくのが正統です。急なお客様でお刺身がなかったり、またお酒のつまみがほしいときにお薦めします。
花:椿、白梅 器:漆手桶
 写真:小林 庸浩