1月の御料理 睦月
花
年末に、友人からこんなメールが届きました。
「子供のころの、あの年末の喧噪はどこに行ったんだろう。家では台所で働く母さんだけが忙しくて、父さんや子供達は所在なくうろうろしてた。お年玉をもらうのが楽しみで、手伝いを頼まれるとたくさんもらえるんじゃないかと、気張って働いたものだった。そんな年末の風景は、日本がグローバル化されてなくなっちゃたのかな?」
私も最近のお正月は旅行に出ていることが多かったので、それで、改めて昔のお正月を思い出したのです。
以前は、28日ごろから大掃除が始まり、30日は食材の買い出し、31日は料理で一日が暮れたものです。昔は今のようにコンビニもなく、お正月になってしまうとすべてのお店が閉まってしまうので、買い物も真剣勝負でした。
子供のころの記憶では、正月のお客様のために100個近い蕪を菊の花のように切るのが、私の好きなお手伝いでした。母に習って、2本の割り箸を蕪をはさむように置き、包丁で切り落とさないように縱にトントン、横にトントンと切っていくのです。畳の上に新聞紙を敷いて小さなまな板を置き、前掛けを掛けてちょっと誇らしい気持ちでした。母親になってからは、娘達の記憶のために典型的なおせち料理を作り続けました。
そんな正月料理を使って、懐石風に献立を立ててみました。材料がそろえば、意外なほど簡単にでき、またお正月用に作り置きできる料理です。
花:白玉椿 曙椿 柳(花器)青竹
 写真:小林 庸浩