台湾茶樂部屋〜茶商・兼子のお茶日記〜
大禹嶺高冷高山茶
05-05-25
お待たせ致しました!「大禹嶺高冷高山茶(2005年春茶)」が入荷しました。
蘆山の張茶師から5月22日に連絡があり、昨日蘆山まで行って来ました。張さんの工場に着いたのは午前11時。高海抜の茶園から僅かな茶葉が届き日光萎調の最中で、美しい奇莱山の茶葉で、素晴らしい香りを放出しています。このお茶も少量私の取り分があります。
生茶が出来上がるまで、充分時間があります。張さんは今日も睡眠不足のようで挨拶をしても元気がありません。今日は茶商も未だ見えず、私達夫婦が唯一のお客の様です。

昨夜も殆ど寝ていないと言いながら、あと2〜3日で張さんの茶園の春茶も終わりと言います。奇莱山1600m〜1950mの茶園のお茶が最後で、今日のお茶は1800mの茶園の茶葉で製茶します。
大禹嶺を早く見たい気持ちに心が騒ぎますが、冷静さを装い事務所に入り、まず張さんの淹れてくれたお茶を試飲します。私は茶葉を見て香りを嗅ぎ、蘆山と梨山(華岡)茶と判断して張さんに告げます。張さんは何も言わず茶湯を勧めてくれます。湯色を観察し口に含み、私の判断に間違いがないと確信します。私が我慢出来ず大禹嶺をと催促すると、張さんは昨夜持ち帰ったばかりの大禹嶺を見せてくれ試飲を開始します。

大禹嶺「103k」の茶園の茶葉で製茶した、この春初の大禹嶺です。
10斤の大袋を開けると、大禹嶺特有の香りが事務所内に広がります。香りを確認して試飲に入り、空き腹に気付きますが構ってはおれません。実はもう3ヶ月も大禹嶺茶を飲んでいないのです。この冬に仕入れた大禹嶺は、私用の分まで売ってしまい、飢えていたのです。脳の味覚が甦り、舌や臭覚が敏感に反応します。

優雅で貴賓高い香りとまったりしたまろやかな角のない舌触り、そして柔らかなのど越しは相変わらずで、冬茶に比べ味は控えめですが、コクは充分で、やはりこのお茶に優るお茶はありません。久しぶりに堪能しました。
張さんから仕入れる1番のメリットは、生産量の限られた稀少な大禹嶺が他にない価格で譲って貰えることで、危険な山道を1日かけて買い付けに来る価値は充分あることです。

2日前から鹿谷の「聡明」さんの呼びかけで大禹嶺の製茶に出かけて、昨夜遅くに20斤の大禹嶺茶を持ち帰り、前から10斤予約していた私に連絡してくれたのです。大禹嶺にも厳密に仕分けると3ランクありその内の「103k」産です。私の予想よりさらに安い価格でした。「105k」〜「106.5k」の生産予定は1週間先になり、このクラスは価格も高くなります。またこのクラスのお茶が入手できる保障はありません。大禹嶺を仕入れること自体、非常に難しい事で茶商冥利に尽きることなのです。

会計の小凛さんが用意してくれた昼食を、茶師達皆と楽しく頂きます。張さんや茶師たちの話題は、大手の台湾茶商で日本でも有名な茶商が、インドネシアで大きな茶園を開発して台湾から茶師を送り込み、製茶して台湾に逆輸入したものを台湾産烏龍茶として各国に輸出していると言います。ベトナム産や大陸産にインドネシア産が加わります。

食後、室内萎調で静かに発酵している奇莱山茶葉から漂う香りに酔いしれていると、2人の来客がありました。台北から来たと言い、私にお茶が欲しいと言います。張さんを呼び事務所に行き3種類のお茶を試飲しますが、どうも様子が違うと思い聞きますと、素人のお客で茶商ではありません。態々産地まで美味しいお茶を買いに来たと言い、「翠峰、清境で試飲したが気に入ったお茶がない。高くても良いから美味しいお茶は無いか」と言います。張さんが何も言わず大禹嶺を淹れて飲ませます。2人の客は顔を見合わせ「1斤多少銭?」と始めて値段を聞きます。張さんが涼しい顔で「大禹嶺だから※000元」と言い事務所を出て仕事をしている茶師に指示しています。

妻に客が聞きます「買いたいが価格は妥当か?」

妻「この大禹嶺は※000元はするわよ」

客「じゃぁ買おうこのお茶は気に入った5斤貰おう」

戻って来た張さんが、会計の「小凛」に4両袋に茶葉の詰め替えを指示して、お客に大禹嶺の自慢をします。合計3万元を支払い、大禹嶺を貰いBMWに乗って帰って行きました。凄いお客もいるものだと感心していると張さんが「世の中には色々な人がいますよ泡銭で儲けた人だから大禹嶺を5斤も買えるのでしょう」と言います。張さんも始めて見るお客と言います。

午後5時過ぎに奇莱山の生茶が出来試飲して10斤注文します。私はお金を支払い大禹嶺を
車に積み花蓮に帰ります。夜10時無事帰宅しました!
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