台湾茶樂部屋〜茶商・兼子のお茶日記〜
※今回は品評会「比賽」や「比賽茶葉の価値観」について私なりの考えをお知らせします。あくまでも私感に基づいたものですので、もし説明に誤りが御座いましたらご容赦いただき、訂正願えれば幸いです。
2004年度台湾高山茶人気ランク5
台湾では、茶葉の知名度を高め生産者の技術や生産意欲と品質の向上を促すために、茶葉比賽会と言うイベントを開催しています。
主として台湾茶葉改良場が認定した産地が年2回春秋に比賽大会は行い、小さな産地は、隣接した産地と合同である程度の規模にして開催します。

台湾茶葉改良場が関与しますから、それなりの価値があります。今年の冬最高値の比賽茶葉は、女性の茶師で1斤(600g)46万元(140万円)の買値が付き、大きなニュースになりました。
これなどは常識ではとても考えられませんが、宣伝効果は大きいし知名度を高める効果はあります。

台湾茶の中心地・南投県を例にしますと、南投県や茶商公會、農会が主催・協賛する比賽茶(比賽会)については、他の産地と同じ価値があると思います。
ただ規模の大小があります。つまり、南投県や茶商公會、農会主催の比賽会は、台湾を代表する産地が(鹿谷、名間、竹山、魚池、捕里、国姓)平地のみでもずらりとあり、比賽会開催規模の大きさがうかがえます。これら各産地ごとに比賽会を開きます。

ちなみに、鹿谷での比賽会は3000人以上の参加者がいます。
私の記憶では、参加者1人の茶葉の規定量は30斤。全て関係者立会いのもと公開で、国家試験に合格した茶葉鑑定士の中から選ばれた人や、台湾茶葉改良場の鑑定士が試飲して優劣を決めます。
審査基準は、茶葉の形状や色艶、香り、味、余韻などです。

一方、高山茶は一部の産地を除き比賽会は行われません。生産者が少数で、産地の特徴がある上に、茶師達には高いプライドがあり、個人で茶商と取引をしています。
つまり、美味しいお茶を生産しなければ買い手が付かず、そのために日夜努力を惜しまないという、別の厳しい現実があるのです。阿里山茶や他の産地でも中には比賽会が行われる産地がありますが、高山茶は比賽会を重視しません。

賞については、その年その季節のお茶の出来具合によりますが、基本的には特等獎が最高賞で、1部門につき1名が原則です。1等は頭等獎で、その中にも順位が付きます。大きな比賽会ですと、頭等獎第1席から第100席近くまであります。1番から100番までの1等賞があるということです。頭等獎第1席は特等獎に次ぐ高い評価が与えられます。

価格も賞に比例して、茶商が次々に入札やセリで落札して決められます。
頭等獎を買うには、必ず順位(席次)を確かめる必要があり、同じ頭等獎でも上と下では何倍もの差がでます。
貳等獎(2等)は頭等獎の約2倍くらいの数が与えられます。価格は頭等獎の末席に比べ3分の1くらいが目安です。參等獎(3等)は貳等獎の約2倍くらいの数が与えられます。価格は貳等獎の5割安が目安でしょう。
優良獎は参加した人に殆ど与えられます。基準を守らない粗悪品は除きますが、比賽会に出すお茶ですから、手間隙を掛けた優良品です。価格は一般のお茶とあまり差はありません。
授賞した作品はその場で封印され比賽会での証となります。

私達の茶商仲間では、最近の青心烏龍種を対象にした比賽会茶葉はあまり信用はされていません。理由は高山茶を使い比賽会に出品して高い賞を獲得する茶師が多く、本来の趣旨からはずれています。海抜800m以下で栽培した茶葉の品評会に海抜1500mで栽培した同じ青心烏龍種を出品すれば、高い評価を受けて当たり前です。

台湾茶の世界にも様々な問題がありますが、台湾茶葉改良場という政府機関が常に指導や監視をして、生産者を育成しています。有機栽培や農薬規制などは、お茶生産者が自覚していて進んで実行しています。より高い品質向上のため、一人一人が懸命に努力しています。これこそが台湾茶の誇りでしょう。

茶葉比賽会は、これからも台湾烏龍茶にとっては欠かせないイベントです。生産者には励みになり、茶商公會は茶葉比賽会を世界に紹介して品質をアピールし、商売に生かす利点があります。
茶商公會は取引先として中国大陸に期待をしていますが、現状台湾は大陸との関係がギクシャクとしています。この関係改善されますと台湾烏龍茶はまた大きな飛躍を期待できるでしょう。お茶にとっても、中国大陸は大きな魅力ある市場なのです。
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