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兼子です。台湾では、香りの春茶・味の冬茶と申します。今年も美味しい味が楽しめる冬茶の季節がやって来ました。
そこで、先頃、産地の視察を兼ね、南投県鹿谷郷彰雅村凍頂巷に行って来ました。今回は、その時のレポートを基に、皆様に産地や茶師をご紹介したいと思います。
鹿谷郷は、凍頂烏龍茶の産地です。鳳凰山や麒麟譚があり、凍頂山は頂上が平地の標高750Mの山です。
山と言っても今は茶畑とピンナンの樹で埋まり、人間の手が入って自然の観は望めません。それでも風光明媚に変わりなく、1年を通して多くの観光客や商人が訪れます。
お茶に関係して生活をしている人が殆どで、茶葉の販売店数が約1000軒近くあると言われ、茶師の数は3000人前後と聞きます。正に台湾烏龍茶の本家本元です。彰雅村の茶師は、凍頂山周辺で凍頂烏龍茶を、鳳凰山周辺で鳳凰山茶を、龍鳳峡では杉林渓高山茶を主に生産しています。
龍鳳峡は車で約1時間、30キロ離れた高山で住人は殆どいない処です。お茶畑の最高標高は2000メートルを越します。台湾高山茶の銘茶ブランドです。また、梨山山系や霧社蘆山茶区や阿里山系等の産地へ出向き茶作りもしています。
今回は、県道151号線沿いで凍頂山の入り口にある民宿も経営している、茶師の劉さん宅に宿泊のお世話になります。隣で弟さんが食堂を経営しており、到着したのがPM7時。丁度お腹が空いていましたので、早速夕食をお願いします。その内容は筍料理がメインで、山三つ葉、キャベツ、鶏肉の料理です。美味しい筍でした。
食後に劉さんの茶をご馳走になりました。秋茶ですが、さっぱりとした風味のある凍頂烏龍茶です。お茶に関する情報交換をすると、今年の冬茶は豊作との事です。
明日は鳳凰山路の麒麟譚の上に店を持つ茶師・陳 孟良氏に会います。この方は合歓山の海抜2400メートル前後にある原住民の土地を4ヘクタール、正規の権利買いをし、水果畑を茶畑に変えて今年で2年目です。台湾で唯一人の合歓山茶師です。
お茶を試飲しましたが、まったり感と何時までも残る甘い余韻は流石です。陳氏のお茶は台湾の高名な茶商が目をつけ買い始めているとの噂があります。
鳳凰山を廻って凍頂山頂に向い、山頂で自作自売の店を経営している林茶師との再会は3年ぶりです。彰雅村の凍頂茶を頂くと、やはり落ち着く感じのお茶です。しかし、彰雅村自体に以前の様な活気がなく寂しい感じさえします。他の高山地は生き生きしているのに、どうしたのでしょう。林茶師曰く「時代の流れです。流れに逆らうことは出来ない」と力なく言います。
160年の歴史ある台湾烏龍茶の故郷が寂れ始めています。近年、海抜の高い高山茶志向が強く、凍頂山では客の要望に応じることが困難な状態だと言います。新しい開発が必要です。美味しい冬茶を必ず提供してくれることを信じています。唯一、気になったのは、以前は茶畑の管理が行き届いていたのに、今回は所々が荒れていることです。私の思い過ごしならいいのですが。
林茶師と共に、山頂にある休間農場で昼食をし、再会を約束して凍頂山をあとにしました。今度は“茶梅”の生産者で、茶師でもある黄さんの店に向かいます。黄茶師は、彰雅村で自作自営の茶梅を販売しています。茶梅10斤と青梅のパリパリ甘漬けを10斤、痩せるという漢方の梅漬けを10斤買います。黄茶師も杉林渓と凍頂茶を生産していますが、最近は茶梅の方が専門になりそうだと言っていました。
黄茶師は35歳で、家族は両親と奥さんに子供4人の計8人です。黄茶師は家業の茶園でお父さんの錫居氏からお18歳より茶作りを学び、現在に至るまで親子2代で茶園を維持しています。茶梅は、錫勲氏が5年前から友人と製造販売を始めました。
冬茶の予想を聞きましたら、新芽もよく揃い、良いお茶が出来そうとの答えです。冬茶が出来次第サンプルを送ると言う言葉には、自信が満ちていました。若い茶師ですが腕はー流です。
もう1日が終わります。名残は尽きませんが鹿谷郷とも暫しのお別れです。来年の春にまた訪れます。皆様冬茶にはご期待して下さい。
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南投県鹿谷郷郷彰雅村にある麒麟譚から凍頂山を望む
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麒麟譚から鳳凰山に向かう風景
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台湾で唯一人の合歓山 茶師 陳 孟良氏です。
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凍頂山上にある休間農園の野外テラス
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黄 錫居氏 錫勲氏のお父さん。
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※この取材ののち、高山茶の産地において朝晩激しい冷え込みに見舞われ、新芽の成長が止まるという異常事態が起きました。そのため、高山茶の製茶作業が止まってしまい、生産量が激減しています。ただし、高山茶の品質、および平地のお茶に関しては問題ありません。
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黄 錫勲氏 35歳
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