台湾茶樂部屋〜茶商・兼子のお茶日記〜

別名:香檳烏龍茶(しゃんぴんうーろん) 白毫烏龍(びゃくもううーろん)
産地:新竹県 峨眉郷 北埔郷 横山郷 
台北県 文山地区(新店 石碇 坪林)
その他台湾全土で1部の茶師が生産しています。
西暦1800年末に来台した英国人が、当時の台湾烏龍茶の中から見つけ出したお茶。紅茶を愛飲する英国人は、熟香な中に甘い味のこのお茶を、ダージリン紅茶の最高級品にもない東洋の神秘だと言って持ち帰り、時の英国貴族社会に紹介しました。やがて、欧州貴族に高い評価を受けて、このお茶はオリエンタル.ビューティー(Orienntal Beauty)、又はフォルモサ・ウーロン( Formosa Oolong フォルモサとは“台湾”の意)と呼ばれる様になりました。

実は、このお茶が作られた当時は農薬などなく、毎年5月の中頃から6月にかけて害虫(ウンカ)が大量に発生し、茶葉に着生して茶葉の成長を妨げていました。又、ウンカからでる分泌物で、製茶しても白い部分が残り烏龍茶としては低く評価されていたのです。
ただ香りがよく一部の茶師が紅茶のように高発酵、高焙煎をして、白毫烏龍(白毫とは“白いうぶ毛”の意)や香檳烏龍茶(香檳とは“シャンパン”を意味するとも言われる)などと命名し、市場に出していました。

これが英国人茶商に認められ、オリエンタル・ビューティー(東方美人)と名を変えて、一躍世界的に有名になったのです。
英国人はオリエンタル.ビューティーをダージリン紅茶やアッサム紅茶と同様に紅茶として扱い、淹れ方や飲み方も英国式に扱います。そのため紅茶の最高級品とされる場合もあります。

最近の東方美人茶は、焙煎度、発酵度共に低めにになり、より新鮮さが求められる様になりました。
本来茶種は青心大有(有の字の月の中の二本がない字)<中生品種>が正規茶種ですが、近年は青心烏龍種<晩生品種>も多く見られます。一芯2葉または一芯3葉で植樹後3〜5年の若木が最高です。
製茶された茶葉は白色が多く見られ、赤に近い茶色。黄や緑は微かで色艶があり、黒色が少ない茶葉が五色物と呼ばれる最高級品です。

上質のお茶は、淹れた後の茶の湯は赤い色に近く、台湾の茶人は血の色に例えます。
茶葉も飲み終えた葉色が赤茶色で手摘みの1芯2葉の若芽です。
年1回6月に限られ収穫できる東方美人茶の中で、ウンカが飛び交う茶畑の中で茶摘女が1日に摘み取る茶葉は2−3斤(1斤=600g)のお茶にしかなりません。

ある茶商が東方美人茶を愛飲する女性は東洋の貴婦人であると言いました。妖しい熟香の魅力で30代から50代の女性の方を虜にするお茶だそうです。そう言えば茶芸館などで東方美人茶を飲んでいる女性は、どこか貴賓のある人に見えます。東方美人茶は魅力ある女性のお茶なのでしょう。
淹れた後の葉が赤いのは良質の東方美人だけ
飲み方としては、烏龍茶の様に淹れて飲む方法も紅茶同様の淹れ方もどちらでも美味しく飲めます。お湯は100度の熱湯で淹れます。茶葉の量は多めに。200ccのお湯に5gが目安です。

紅茶の方法で飲むなら、ティーポットにティーカップを使用し、洋菓子と一緒に。烏龍茶の様に淹れて飲む時は茶壺や盖碗を使用して中国風に甘い点心をお茶請けに。
友達や家族とティータイムをお楽しみ下さい。

1人で渋く飲む時は、ブランデーやスコッチを1オンスいれて、音楽をお茶請けにお楽しんでみましょう。このお茶の素晴らしさが必ずお解かり頂けます。東方美人はムードを好むお茶です。

私は常々残念に思っておりますのは、日本の皆様には東方美人茶の美味しい飲み方がうまく伝わって居ないことです。烏龍茶として紹介され、他の烏龍茶の味と比較したくなりがちですが、このお茶の比較対象は紅茶です。ぜひ高級な紅茶と飲み比べて下さい。東方美人茶の良さがお解かり頂けます。
文山地区石碇の茶畑
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