台湾茶樂部屋〜茶商・兼子のお茶日記〜
文山包種茶は、台湾烏龍茶の三大銘茶の1つです。李 登季前総統が文山包種茶を飲み絶賛し、今も愛飲している話はあまりにも有名です。凍頂烏龍茶等と大きく違うのは茶葉の形状で、半円球ではなく軽く棒状に仕上げてあります。発酵度も15%−20%と軽く春茶は不焙煎が主です。湯色は透明で薄く香りには貴賓があり味は日本茶にも通ずる処があり飲んだ後の口中に残る香りや甘みは爽やかです。

包種茶は約150年前福建省安渓で始まりました。完成したお茶を紙に包んで出荷したところから、包種茶の名が付いたのです。その後、台湾の台北県文山地区に移住した安渓の人達が技術を継承して、現在の文山包種茶があります。ちなみに発祥の地である安渓には現在包種茶は存在しません。

文山地区の坪林や石碇は、海抜400m−600mに位置し高山ではありません。しかし、起伏の激しい平地の少ない所で、毎日霧が数回発生して、一年を通じ昼夜の温度差が10度以上あります。お茶の生産には最適な条件の土地と言えるでしょう。

台北から、新店〜石掟〜坪林〜宜蘭、に通ずる国道9号線沿いに坪林お茶博物館があり、―見の価値があります。石掟には包種茶の他に、豆腐が名産で豆腐料理を美味しく食べることができます。翡翠湖と自然が多く残る美しい山村です。
文山地区石碇の茶畑

<名人茶師 陳 樹根氏>

氏名年齢  陳 樹根  48歳  
茶師歴   20年
住所    台北県石碇郷格頭村
茶畑面積  2ヘクタール(6000坪)
茶種    青心烏龍

私が初めて名人にお会いしたのは、名人の家を訪れたときでした。家に到着し奥さんが出迎えて家の中へ入り驚きました。約20坪ほどの応接間に所狭しと賞状額が掛けてあり、それが全部特頭賞ばかりなのです。その数は30額いや40額、私も今まで色々なお茶に関わる人々に合いましたがこれ程たくさんの特頭賞にお目にかかったことはありません。奥さんがお茶を勧めて頂き、私と妻はそのお茶を飲み、また感動しました。文山包種茶の全て良いところが凝縮されたうえに上品で格調の高いお茶です。

名人茶師 陳 樹根氏は村長を12年勤め、今は格頭村の調停委員をしています。83歳のお父さん79歳のお母さんは今も元気です。陳さんは5人兄弟の4番目で、代々文山包種茶を受け継いでいます。5人の兄弟もお茶を仕事にしています。息子さんが1人娘さんが1人います。

陳茶師は地域の人達からの信頼も厚く、家庭も円満で兄弟とも仲がよく、現在は下の弟さんも陳さんと一緒に茶作りをしています。私の無理もよく聞いてくれて、日本に対して好意を持っています。台湾の夫婦はかかあ天下が当たり前ですが陳さん夫婦は奥さんが良く出来た人で、ご主人の陳さんを陰で支えている様に見えます。亭主関白で好感の持てる夫婦です。兄弟が5人ですから、若い時には相当の苦労をして2ヘクタールの土地を手に入れたようです。
茶作りの巧さは文山地区でも有名で茶農家からは一目置かれる存在です。小柄な体から発散するパワーは当分の間は王道を他に譲ることはないでしょう。今陳茶師は国道9号線沿いに自分の土地がありそこに石碇名産の豆腐料理とお茶やコーヒーを楽しめる休楽園を造る予定です。

これは余談ですが奥さんも茶師です。最近は息子さんも茶師の仲間入りをしたそうです。
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