台湾茶樂部屋〜茶商・兼子のお茶日記〜
みなさん、初めまして。
私は台湾・花蓮県で茶商を営む兼子洋行と申します。
愛知県出身で、当年62歳。不思議な縁で現在の妻と出会い、台湾在住9年(台北3年、花蓮6年)になります。もともとは妻が観光客相手の茶店を営んでいました。そこで知り合って結婚したので、茶商歴は妻の方が先輩になります。台湾茶を愛飲して約20年、妻と2人で台湾全土のお茶を飲み歩きました。

その中で出逢った様々なお茶や、様々な人との出会いを通して、私なりの台湾茶の魅力や楽しみ方について、みなさまにお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
台湾略図
台湾茶の世界は、知れば知るほど奥が深く、興味が尽きません。
台湾では特に愛好家の方々にとってのお茶は、まさに日常の一部です。それは、日本でいうなら、お茶と言うよりむしろお酒の楽しみ方に似ています。毎日の晩酌を欠かさないのと同じように、台湾ではお茶を飲みますし、好みもあり、また贈答品としてもよく使われます。

たとえば私の場合は、朝はコーヒーを飲みますが、十時ぐらいになるとお茶友達がやってきて、午前のお茶を飲みます。午後はお客様がいないときは妻と2人でお茶を飲むので、一日に2回は必ずといっていいほどお茶を楽しんでいます。その日の気分によってお茶を選びそれにあわせた茶器を決めます。

私はお茶のときにお茶受けになるような菓子類はいただきませんが、それはほかのものを取るとお茶の香りや味が逃げるからです。たまにお茶によっては、胃に負担がかかる場合もありますので、食事はしっかり食べてからお茶を楽しむようにしています。

最近はご存じの方も多いのですが、台湾茶のシーズンは春と冬の2回です。
大体3月末から11月はじめぐらいの間は、香りが良いと言われる春茶をいただきます。11月から春先は、味の良い冬茶の季節です。
現在は春茶をいただいていますが、私が個人的に好きなのは鹿谷産の凍頂烏龍茶と高山茶です。高山茶の中でも特に高級茶として知られる梨山茶が好きです。追々皆様にご紹介させていただきたいと思っています。

今回は基本的なお茶の種類と淹れ方についてご紹介しますが、本来、烏龍茶には日本の茶道のように厳格な作法はありません。美味しいお茶を淹れる為には、毎日自分で淹れて慣れることです。時と共に自然に理解できるようになります。

工夫茶とか老人茶などという言葉をよく聞きますが、これについては又の機会にご説明しましょう。
妻です。
お茶は、紅茶であれ緑茶であれ烏龍茶であれ、もとを正せば同じお茶の木の葉を使います。
その違いは、茶を摘んだ後の加工方法に寄るところが大きいと言えるでしょう。

加工法の中でも主だったものとして、発酵と焙煎の二つがあります。
烏龍茶は色、香り、味が重要ですから、美味しく淹れるポイントは、発酵度や焙煎度で微妙に変わるお茶を、調度よい濃さで淹れる技を習得することにあります。その為には茶葉をよく知ることが大切 になります。

【発酵度】  
 緑茶        0%
 高山茶、文山包種茶 15%ー20%前後
 凍頂烏龍茶、鉄観音 30%前後
 東方美人茶     60%−80%前後
 紅茶        100%

【焙煎度】
 不焙煎  焙煎度0%です。(最近の高山茶、凍頂茶、文山茶などに多い)
 軽焙煎  30%までをいいます。
 中焙煎  50%までをいいます。
 重焙煎  50%以上をいいます。

同じお茶でも、発酵度や焙煎度により味や香りが変化し、奥の深い烏龍茶になります。
例えば軽発酵で不焙煎茶は新鮮で、味は爽やかで、花の香りがします。
中焙煎、中発酵は蜂蜜やフルーツの香り。味はコクがあり、深みが増します。
さらに重焙煎茶は焙煎度により炭火やカラメルのような味や香りがします。
(重焙煎のお茶は長期間保存も可能です)

文山包種茶/発酵度15%ー20%前後
凍頂烏龍茶/発酵度30%前後
東方美人茶/発酵度60%−80%前後
美味しいお茶を淹れるための条件は下記の5つです。

1)茶葉の量
2)茶葉を湯に蒸らす時間
3)茶器の材質
4)湯の温度
5)水質

それぞれについて、私のやり方をご紹介します。

1)茶葉の量    

茶葉の量は、使う茶器(の材質)によって変わります。

【茶壺】(ちゃふー)で淹れる時
 ・球状の茶葉  内容量の1/4
 ・棒状の茶葉  内容量の7/10

【蓋碗】(がいわん)で淹れる時
 約200ccの蓋碗に対して、5〜8gが目安です。

☆ 茶葉の量は飲む人の人数にも寄りますが、少し多めの量が美味しく淹れられます。
 私は、多めの茶葉を使って蒸らしの時間を短くし回数を多く淹れて楽しみます。

2)蒸らし時間
   
@一煎目は100度のお湯を入れ最初は20秒前後。
 このお茶はで捨てるのもよし、飲むもよし。捨てる場合は茶器にかけると香りが移ります。
A2〜3煎目からは個人の好みで20秒から1分くらい
B4〜5煎目からは40秒から2分くらい。

☆蒸らし時間は淹れる人によって異なります。自分が美味しいと感じる時間をみつけましょう。

3)茶器の材質

☆茶器は保温性及び保水性に大きく関わり、味や香りに影響を与えます。

【陶器(紫砂)】
 全ての適応に優れている。特に保温性に優れている。

【磁器】
 高温で焼かれている為通気孔がなく茶葉の香りを逃がさない。香りを重視するお茶にはお勧めします。

【ガラス】
 低温〈緑茶)で淹れるお茶に合う。

【木質】
 どのお茶にも適しているが、材質に問題がありあまり見かけない。

【石器】
 私が住んでいる花蓮には石材を使用した茶壺が多くあり陶器に近い材質の石茶器がある。

4)温度
 清茶系 半発酵茶、焙煎茶など、ほとんど100度が基本です。

5)水質
 日本の水は世界でも美味しい水ですからあまりこだわる必要はありません。
 もし気になるようでしたら、しばらく沸騰させてから使えばよいでしょう。。
【茶壺】(ちゃふー)
【蓋碗】(がいわん)
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☆良いお茶を見分けるために大切なのは、
 色々なお茶を数多く飲むこと
 毎日同じお茶を飲まないこと
 自分の好みに合わさないこと
 香りや味を体で感じること
 茶人の友を多く持つこと等々、上げてみるとキリがありません。
 
 私たちがお茶を選ぶときの目安としては、次のことに気を付けて選びます。

1)茶葉の形状がそろい、形崩れしていない茶葉
2)色艶があり、綺麗で光沢のある茶葉
3)香りを嗅ぎ、そのお茶が産地や品名のものかを図る。また新鮮さも判断する。
4)試飲をして、産地や品名のものかを確かめ、お茶の良し悪しを判断する。
5)良いお茶は、誰が飲んでも良い香り、良い味、良い後甘味がします。
6)淹れた後の茶葉の形状で、手摘みなら1芯3葉かどうか確かめる。
  (茶樹の年齢や茶樹の種類また産地の特長が分かります)
7)茶葉の香りは、淹れる前の香り、淹れた後茶壺の蓋に付いた香り、見聞杯から嗅ぎ取る香りと1種類のお茶から3種類の異なった香りを嗅ぎ取り判断します。どの烏龍茶も3種類の香りがします。


次回は、私の親しい友人であり、今年の春の台北県石碇茶区品評会文山包種茶の部で、特頭奨を受賞した名人茶師 陳 樹根さんと文山包種茶についてご紹介しましょう。どうぞお楽しみに。
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