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「日永(ひなが)」という春の季題に対して、夏至に向かって、一日一日日没が遅くなる短い夏の夜を、「短夜」という夏の季題で表現します。ちなみに、秋は「夜長」、「短日」は冬の季題です。実際の時間の長短というよりも、人の感じ方に重点が置かれているように思います。
暑い暑い夏の一日、夜になって風が出てくると、ほっとするものです。父はよく窓を開け放ち、暮れなずむ夏の庭を見ながら晩酌の盃を傾けていました。父の晩酌は長く、ちょっとした肴でいつまでも楽しんでいた姿が頭に残っています。私は、お酒をあまり嗜(たしな)みませんが、父の影響か、お酒の肴は大好きです。
夏の夜の晩酌には、涼しげな蓴菜(じゅんさい)の小鉢が似合います。蓴菜は、水のきれいな池沼に生育する水草で、寒天質に包まれた若芽を採ります。蓴菜は、瓶詰めやパック詰めのものが売られており、冷蔵庫で一週間から十日くらいは日持ちします。冷奴にのせたり、すまし汁の実にしたり大根おろしと混ぜるだけで粋な一品になり、季節感も味わえるのでおすすめの素材です。使うときには、ざるに出してお湯をさっとかけ、氷水で冷やします。
蓴菜には酸味がよくあうので、すりおろしたキウイフルーツと合わせ、酢の物にしました。胡瓜などを加えてもおいしいと思います。
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