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はっきりとした寒さではないけれど、何とはなしに冷気を感じるような、身をくすぐられるような寒さをうそ寒といいます。冷たく澄んだ空気の中で、ふと長野の小諸に思いを馳せました。
夫の祖父高浜虚子は、戦時中小諸に疎開していました。その時、地元の名士である小山栄一さんにお世話になり、以来小山家と高浜家は長いおつき合いをしています。小諸には虚子記念館もあり、私たち夫婦もしばしば訪ねています。水も空気も美味しくて、ここに住んでも良いと思うくらい気に入って土地です。
ただ寒さは厳しく、秋口はいち早くうそ寒を感じます。
小山さんのお宅は、信州の山々が見渡せる場所に建っていて、冬になると浅間おろしが吹きつけます。そんな気候の中で育った作物は、他に比べて味わい深いように私には思えます。庭には大きな胡桃の木があり、虚子はその実を使った胡桃餅が好物であったと聞いています。信州の胡桃は、小粒でありながら味は極上です。
胡桃はお菓子によく使いますが、今回はナッツと相性の良い鶏のレバーと組み合わせて、栗も加えて野趣を味わうパスタソースにしてみました。このような水気の少ないソースは、普通のスパゲッティではソースがからみにくいので、らせん状のスヒラーやエリケなどと呼ばれているパスタが向いています。
レバーの臭みを消すためには、オレガノやタイムといったハーブを加えるポイントです。枯れ草のような香りのオレガノはキノコにも合います。キノコをオリーブオイルで炒めてオレガノを一振りするだけで、風味豊かな仕上がりとなります。胡桃はキノコと相性が良いので、栗をキノコに代えるのも良いと思います。
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