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秋は月の季節です。一年中月は輝いているにもかかわらず、俳句では「月」といえば秋の月です。大気の澄んだ秋の夜空にこうこうと冴える月の姿が愛でられて、秋の月が特別に好まれたのでしょう。秋の季節、俳句と月は切っても切れない関係にあるのです。
月に関する季語はとても多く、特に9月においては月の種類だけでも、名月、無月(むげつ)、雨月(うげつ)、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)、臥待月(ふしまちづき)などがあります。ちなみに、無月は曇っていて名月が見えないこと。雨月は雨で見えないこと。名月(十五日)以後は、月の出が次第に遅くなってきます。十六夜は名月の翌日の月、ためらうように月が出る姿をいいます。その翌日の月が立待月。立って待つ月の意味。臥待月は、名月のよるから十九日の月で、臥(ふ)して出るのを待つ月という訳です。
夫の家は、俳句一家なので、
「今日は十六夜ね」
というような会話が普通に交わされていて、それが結婚当初はとても新鮮でした。夫は年末に新しい年のカレンダーと一緒に、月暦を買い求めます。名月ばかりでなく、普段から月の姿を気にする生活を楽しんでいるのです。
中秋の名月は、芋名月とも呼ばれます。そんな理由からでしょうか、お供えの中でも特に重視されるのが、里芋なのです。もともと月見は、農作物の収穫を祝う儀礼でした。豊穣を象徴する満月に、その年の収穫物を供えて感謝したのです。里芋はかつて、主食となる大切な作物でした。陰暦の八月は里芋の収穫期。里芋の収穫祭が月見の基になったともいわれています。後に観月の風習が加わり、現在のような月見の姿になったようです。
衣被は、里芋の子芋です。蒸して塩で食べるのが一般的ですが、我が家では合わせ味噌を添えてオクラや粟麩とともに、ヂィップ風に楽しみます。十五夜にはゆったりと、自然の恵みへの感謝の気持ちを忘れず、名月を楽しみたいと思います。
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