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石を立てて作る作庭の手法を‘立て石手法(たていし)’といいますが、そう言われても正直のところ、どうもピンときませんでした。石を立てる? 立て石の庭?……。ところが実際に‘立て石’の盆石を重森さんに作って頂いて、とてもよくわかりました。こんなに力強い盆石を誰が想像したでしょう。目から鱗とはこのことです。石は横に寝かせるものとしか思っていなかった私には、この盆石がとても新鮮に見えました。
盆石の石選びにその違いは如実に現われます。 ヒマラヤやマッターホルンなどの山を思い浮べるとわかりやすいと重森さん。 立て石手法に使うのは、「捨て石手法の‘でしゃばらない石’とは正反対に、立てたときに力強く、頂上がはっきりしていて孤高の山。そして動きを感じさせる石です」 実際に重森さんが選んだ石は一番大きな石でしたが、大きさだけでなく、誰が見ても力強さを感じさせる石でした。 |
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また組み方の基本は、三個の石を使って一組に立てます。三尊石(さんぞんせき)といって仏様に見立てていますが、メイン石を中央に両脇に低い石を組みますから、造形的にもバランスが取りやすいのです。つまり‘立て石手法’の庭は、自然主義庭園の‘捨て石手法’とは対照的にある庭なのです。
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【4石で組む石組】
数の多い石の石組は3石を基本とし連続となる。 4石の場合は、 |
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| の3種の3石が組み合わされる。 | |||||||||||||||||||||||||
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大陸からの影響を色濃く出している‘立て石’の庭は、日本人が古来から作っていた作庭の手法でした。古いものでは平城京跡の左京三条二房宮跡庭園(さきょうさんじょうにぼうのみやあとていえん)、また新しいものでは、明治初期の靖国神社の庭がありますが、‘捨て石手法’の自然風景主義庭園でも、滝や池の淵に三尊石の石組がところどころにあったりします。
‘立て石手法’を知ると、それまで見ていた日本庭園の見方が変わってくるのだというのです。「‘捨て石手法’では、どうしても庭の樹木や植物に目がいきますが、‘立て石手法’では、巧みに組まれた石の表情を見たり組み方の意味などを考えたりと、いろいろな庭の見方ができて違った楽しみが生まれてきます」 街を歩いていても、フッとマンションの植え込みなどを見ている自分に気が付いてビックリ。今まで見ていた街の風景まで違って見えてくることでしょう。 |
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靖国神社の庭
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全体:明治初期の作庭。維新の際、大名屋敷が取り壊しになり、その庭の材料で作られたと思われる。当時の大名屋敷の豪壮ぶりが伺える。
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滝石組:立て石手法の典型。力強い立て石で深山の滝を表す。都内にこれだけの立て石の石組があるのは珍しい
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‘立て石’の石組の植え込み::三尊の石組が基本になっている。
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